あごの骨が柔らかい方のインプラント治療とは

私たちの骨の性状は、柔らかい・硬いと表現することができます。骨は身体のフレームのような存在なので、当然ですが柔らかいよりも硬い方が良いですね。それはインプラントを埋め込むあごの骨も同じです。そこで今回は、あごの骨が柔らかい場合は、どのように対処してインプラント治療を行うのか、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックがわかいりゃすく解説します。

 

そもそも骨が柔らかいとは?

 

骨の硬さは、CT撮影することで細かく評価することができます。とくにインプラント治療では、専用のシミュレーションソフトが普及しており、インプラント埋入部位の骨の硬さを色の違いによって容易に確認できます。例えば、骨の硬さを青から赤へのグラデーションで表示されるソフトでは、皮質骨(ひしつこつ)と呼ばれる骨の外側を構成する部分は、赤くなります。内側の海綿骨(かいめんこつ)と呼ばれる骨は、黄色や緑で表示され、これが青くなっている部分があると要注意です。骨が柔らかく、ウエハースのようにスカスカになっている可能性があるからです。

 

柔らかい骨への対処法

 

CT画像を活用したシミュレーションソフトで、骨が柔らかい部分が認められたら、以下に挙げるような方法で対処します。

 

骨造成によって骨を硬くする

 

何らかの理由で骨が柔らかくなっている部分は、骨造成によって硬くすることが可能です。骨がスカスカになっている部分に骨補填剤などを作用させることで、骨の密度を高めます。

 

骨が高い部分にインプラントを埋め込む

 

骨が柔らかい部分が一部にとどまっているのであれば、骨が硬い部分を慎重に見極めた上で、インプラントの埋入処置を行います。歯科用CTによる画像検査とデジタルシミュレーションを駆使することで、そうした高度なインプラント手術を実施することも可能です。ただし、インプラント治療の実績豊富な歯科医院でなければ、なかなか難しいといえます。

 

あごの骨が柔らかいことのデメリット

 

あごの骨が柔らかいと、人工歯根であるインプラント体の定着が悪くなります。例えば、砂浜に棒を立てる場合と、土壌がしっかりとした地面に棒を立てるのとでは、安定性が全く異なりますよね。砂浜に立てた棒は、ちょっとした風が吹いただけで倒れてしまいますが、しっかりとした地面に立てた棒は、そう簡単には倒れません。それと同じ理屈があごの骨にも当てはまるのです。

 

骨が硬すぎるのも良くない?

 

上述したように、私たちのあごの骨はとても頑丈な皮質骨と比較的柔らかい海綿骨の2つによって構成されていますが、皮質骨がインプラントを埋め込む上で最善というわけでもないのが現実です。皮質骨は、骨の密度が高い分、血管などの柔らかい組織に乏しいため、インプラントを埋め込んだ後に良好な状態を維持する上では最適とは言い難いです。つまり、インプラント治療においては柔らかすぎず、硬すぎない、バランスの良い骨が最適といえるのです。

 

まとめ

 

今回は、あごの骨が柔らかい方のインプラント治療について、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックが解説しました。あごの骨が柔らかすぎると、インプラントを固定することが難しくなるため、事前に骨造成などの処置が必要となりやすいです。

 

歯科医院によっては、あごの骨が柔らかいという理由でインプラントは難しいと診断されることもありますので、その点には十分な注意が必要です。さまざまなインプラント症例に対応してきたサンフラワーデンタルクリニックであれば、他院では難しいと診断されたケースでもインプラント治療可能となるかもしれませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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顎の骨が溶ける?インプラント周囲炎とは

インプラントを装着した後には、あごの骨が溶ける病気にかかるリスクが生じます。それだけを聞くと、インプラントがとても怖い治療法のように聞こえますが、実際はそんなことはありませんのでご安心ください。今回はそんな「あごの骨が溶ける」リスクがあるインプラント歯周炎について、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックがわかりやすく解説します。

 

インプラント周囲炎(歯周炎)ってなに?

 

インプラント周囲炎(歯周炎)とは、インプラント周囲の組織が細菌や過度の咬合力により破壊された炎症性の病気です。歯の周りの炎症により歯周組織が破壊される歯周病と同じようなものです。インプラントを埋め込んだ周りの歯茎やあごの骨に炎症が生じて、それらが徐々に破壊されていきます。一般的な歯周病も末期症状でそのような症状が現れますが、インプラント周囲炎(歯周炎)の場合は進行が早く、あごの骨も溶けやすくなっている点に注意しなければなりません。

 

ふつうの歯周病との違いは?

 

インプラント周囲炎(歯周炎)は、基本的にふつうの歯周炎と同じです。歯の周りに歯垢や歯石がたまることで歯周病菌が繁殖し、歯茎やあごの骨に炎症を生じさせます。ただ、インプラントの場合は歯根の部分に「歯根膜(しこんまく)」という軟らかい組織がないことから、あごの骨が細菌からの攻撃を受けやすくなっているのです。

 

◎歯根膜が果たす役割

 

健康な天然歯の根っこの周りには、血管や神経、コラーゲン繊維などで構成される歯根膜が存在しています。歯根膜は食べ物の硬さなどを感知して噛む力をコントロールしたり、歯や顎の骨に酸素や栄養素、免疫細胞を供給したりする役割を担っています。インプラントにはそんな歯根膜が存在せず、人工歯根が直接、顎の骨と接触していることから、細菌感染が起こりやすくなっているのです。

 

◎ふつうの歯周病より進行が早い

 

歯根膜がないと、免疫細胞による防御機構も働かないことから、インプラント周囲炎(歯周炎)はふつうの歯周病よりも進行が早くなっています。放置しているとあっという間に進行して、あごの骨が溶かされ、取り返しのつかない病態まで発展してしまうのです。

 

インプラント周囲炎(歯周炎)を治療する方法

 

インプラント歯周炎は、その前の段階である「インプラント周囲粘膜炎」の状態であれば、比較的治しやすいといえます。一般的な歯肉炎と同様、炎症反応が歯茎(歯肉)だけにとどまっているからです。治療も通法に従い、クリーニングやスケーリング(歯石除去)、ブラッシング指導などを行うことで、症状の改善が見込めるでしょう。これがインプラント歯周炎(周囲炎)にまで発展するとなかなか治癒に至らず、最終的にはインプラントを抜き取らなくてはならなくなります。

 

インプラント周囲炎(歯周炎)を予防する方法

 

インプラント歯周炎は、ふつうの歯周炎以上に危険な病気なので、予防するに越したことはありません。毎日のセルフケアを徹底する同時に、定期的なメンテナンスも欠かさないようにしましょう。インプラントは見た目も噛み心地も天然歯そっくりですが、あくまで人工物です。ケアを怠ると天然歯よりも病気にかかりやすくなりますので、その点は十分にご注意ください。

 

まとめ

 

今回は、重症化させるとあごの骨が溶けることもある「インプラント周囲炎(歯周炎)」について、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックが解説しました。もうすでにインプラントを埋め込んだ方はもちろん、これからインプラント治療を受ける予定の方も、歯周病はインプラントにとって天敵であることを忘れてはいけません。頑張って入れたインプラントが歯周病でダメになってしまうのはあまりにももったいないですよね。そんなインプラント歯周炎は、正しいセルフケアとプロケアを両立させることで予防も難しくなくなります。

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足りない骨を作る「骨造成」の費用はどのくらい?

インプラント治療で骨が足りない場合に実施することがある「骨造成」は、専門性の高い処置法なので、対応している歯科医院は一部に限られます。高度な技術も要求されることから、費用も一般の歯科治療より高額です。今回はそんな足りない骨を造る骨造成の費用について、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックが簡単にご説明します。

 

骨造成は保険適用外

 

骨造成は、インプラント治療と同じように保険が適用されません。処置にかかる費用は全額、患者さまの自己負担となる点にご注意ください。骨造成は医療費控除の対象にはなりますので、施術を受けた際には申請することをおすすめします。

 

施術法によって変わる骨造成の費用

 

骨造成にかかる費用は、施術法の種類によって大きく変わります。

 

◎ソケットリフトの費用相場

 

顎の骨の不足量が比較的少ない症例に適応されるソケットリフトは、30,000~100,000円程度の費用がかかるのが一般的です。ソケットリフトは、インプラントを埋め込む方向からアプローチできることもあり、サイナスリフトよりも手術がシンプルで、費用も安くなっています。

 

◎サイナスリフトの費用相場

 

顎の骨音不足量が比較的多い症例には、サイナスリフトが適応されます。歯茎をメスで切開して、側面からアプローチする術式で、上の奥歯のインプラントとしてはやや負担の大きい治療となります。サイナスリフトにかかる費用は、150,000~300,000円程度が全国的な相場です。場合によってはソケットリフトの5~10倍程度の費用がかかりますが、その分、再生できる骨量も多くなります。

 

◎GBR法の費用相場

 

いろいろなケースに適応できるGBR(Guided Bone Regeneration)法は、再生させる組織の量や患部の状態によって費用も変わります。全国的には30,000~150,000円程度で行われている骨造成術といえるでしょう。

 

骨造成の費用はなぜ高い?

 

上述したように、骨造成の費用は最低でも30,000円程度はかかります。それは第一に、骨造成が保険適用外となるからです。自費診療というのは、どのような種類の治療でもある程度の費用がかかりますよね。例えば、歯のクリーニングをするだけでも自費では5,000~15,000円くらいかかるものです。しかも、骨造成は外科処置を伴うだけでなく、骨補填剤や人工骨など、原価の高い材料も多く使用することから、治療にかかる費用も自ずと高くなってしまうものなのです。

 

骨造成をしてまでインプラントする価値は?

 

これまで歯を丸ごと1本失ったことがなく、入れ歯やブリッジといった装置を装着した経験のない方は、歯根があることの重要性に気付きにくいことかと思います。入れ歯やブリッジも時間とお金をかければ、本物の歯に近い“見た目”に仕上げることも不可能ではないのですが、噛み心地に関してはインプラントに勝つことはできません。

 

やはり、顎の骨に根差した歯根があるのとないのとでは、噛んだ時の感覚に雲泥の差が生まれてしまうものなのです。しかも、噛んだ時の力が顎の骨に伝わるおかげで、顎骨の吸収という、顎の骨が徐々に痩せていく現象も抑えることが可能となります。そうしたメリットを踏まえると、骨造成をしてインプラント治療をする価値は十二分にあるといえるでしょう。

 

まとめ

 

今回は、足りない骨を造る「骨造成」の費用相場について、熊本市のサンフラワーデンタルクリニックが解説しました。骨が足りないことでインプラントを適応できない症例でも、骨造成で骨を造れば安全に人工歯根を埋め込めるようになります。そんなインプラント治療における骨造成についてさらに詳しく知りたい方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。

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