治療前後の問診とメンテナンスの重要性 総合的治療がもたらす口腔内の好循環

歯の治療において口腔全体の環境を整えることが大切と言われます

例えば、インプラントの治療。これまでの歯と同様に違和感なく食事ができるほか、入れ歯を取り外す煩わしさがないため、希望する人が増えています(自由診療、検査費、一次手術、上部構造込みで46万2000円~)。しかし、失われた歯の代わりにインプラントをすることだけが注目され、歯を失ってしまった原因へのアプローチや口腔全体がインプラントを埋入できる環境にあるのかどうかが軽視されています。

具体的には

インプラントを埋入する準備段階として、虫歯や歯周病の治療、咬合に問題がある場合は、これらをきちんと整えていく必要があります。環境を整えずに治療を行うことは、傾いた土地や沼地に家を建てるようなもので、ほかの歯牙も失ってしまう可能性があります。1本の歯を守るためには、隣の歯や相対する歯の状態、咬合の不正があれば何が原因かなど、口腔内だけでなく、全身を総合的に診ていかなければなりません。

総合的治療に必要なことは

口腔内の状態に加え、全身を診ながら歯を失ってしまった原因を特定し、適切な診断のもと治療を進めることです。そのためにはさまざまな検査が必要です。検査結果をもとに改善に向けた治療計画を立て、患者さんと話し合いながら治療を進めていきます。原因が患者さんの習慣や習癖にあるものが多く、ご自身の状態を理解して、納得された上で治療を進めていくことが治癒につながります。患者さんの自己判断により、治癒に向かっていたものが悪化したり、再度同じ治療をする必要性が生じたりするほか、どうにか保存している歯についても、抜歯を検討せざるを得ない状況になることがあります。そのため当院では、インプラント治療の前には必ず口腔内全体のトラブルを確認し、その原因を取り除く治療や指導を徹底しています。受診される方の中には虫歯や歯周病の痛み、腫れだけの改善を望まれている人も多くいます。しかし、原因にアプローチしないと一度症状が消退しても、同様な症状が再発、重症化し、数年後は抜歯に至ることも少なくありません。口腔内全体の健康を保つためにも総合的治療が必要です。

 

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インプラント治療を始めるその前に 予後まで含めた総合的な治療計画を

インプラント治療が一般的になってきました

これまでの歯と同じように違和感なく食事ができる他、入れ歯のような取り外しの煩わしさから解放されるため、近年インプラントを希望する人が増えています。しかし、インプラントの治療だけが注目され、その前にやっておくべき大切なことが軽視されていることも多いようです。口腔内のトラブルは、総合的な見地から抜本的な改善を図れるようなアプローチが必要です。虫歯や歯周病があるのに、抜けたところだけをインプラントに代えても意味がありません。そのため当院では、インプラント治療を始める前には必ず、口腔内の全てのトラブルを確認し、その原因を取り除く指導を行いながら治療を進めます。

 

 

口腔環境が整った後にインプラント治療に入るということですね。

そうです。今は埋入するインプラントの位置などをコンピューターによりデータ化し、3D画像で誘導するガイドシステムがあります。これを使用することにより、的確な位置にインプラントを埋め込むことができます。

全ての治療が完了した後のケアも大切ですね。

口腔内の治療は、正確な診査、正しい診断、的確な治療、そして予後のケアまで含めたトータルな診療が重要です。特に、家庭でのケアは日頃の習慣付けが必要です。自分の歯を健康な状態で長く維持するためにも、気になる箇所だけの治療ではなく総合的な治療を進め、定期的に歯の検診をされることをお勧めします。

~~ くまにちすぱいす インタビュー記事 ~~

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抜いてしまう、その前に インプラントの必要性を十分理解し治療へ 

インプラント治療とは。

インプラントとは顎の骨にチタンを埋め込み、骨としっかり結合した後に人工の歯をかぶせる治療法です。中には欠損部の骨が薄くなっている人もおられ、その場合は骨の造成が必要です。造成はインプラントの埋入時に行うこともあれば、残存骨が少ない場合、土台づくりを行った上で埋入へと進めます。

費用はどれくらいかかるのでしょうか。

インプラント治療は自由診療のため、医院によって術式や使用する素材、縫合する糸の種類も異なります。おのずと使用するものによって費用は異なりますが、当院では1本約50万円を目安にしていただければよいかと思います。ただ、ここで大切なのが本当にインプラントにする必要があるのかどうかの診査です。もちろん歯が抜けている人にとっては、インプラントにするか入れ歯にするかという選択肢になりますが、残存歯がある場合、抜歯する前にその歯を生かした治療法が他にないのか、抜歯してインプラントに置き換えることが最善の方法なのかをしっかり見極める診断が重要です。

治療を受ける側も十分に理解して進める必要がありますね。

そうですね。例えば、歯が折れて歯根だけが残っている場合、抜歯してインプラントを埋入する方法もありますが、歯茎に残った短い歯根を引き上げて、そこにかぶせ物をするという治療法も検討できます。もちろん抜歯以外に方法がないケースもありますが、治療にはいろいろな選択肢があることを患者さんにも知っておいてほしいと思います。

~~ 熊日すぱいす メディカル百科インタビュー記事より ~~

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一人で抱えがちな口臭の悩み 生活習慣や基礎疾患を見極め改善へ

一人で抱えがちな口臭の悩み 生活習慣や基礎疾患を見極め改善へ【メディカル百科】 | くまにち すぱいす (kumanichi.com)

”くまにち すぱいす” に掲載された当クリニック副院長由香理先生のインタビューです。

口の臭いが気になるけれど、どこに相談していいのか分からず放置している人も多いようです。原因や治療法などを、専門の医師に聞きました。

─口臭の悩みを抱えている人が多いと聞きます。

学生や高齢者、サービス業から医療従事者、教師まで、仕事や日常生活に支障を来している人が多くいます。周囲からの指摘はもちろん、口臭で迷惑をかけていないかと人知れず悩んでいる人も少なくありません。中には、長年連れ添った家族の口臭について相談に来られる人もいます。

─口臭の原因は。

口臭には、生理的口臭と病的口臭があり、相談のほとんどは前者に該当します。生理的口臭は起床時や空腹時、緊張時、疲労時に強くなります。原因としては歯磨きの方法に加え、生活習慣や飲食習慣、基礎疾患など、さまざまな要因が絡み合って発生します。病的口臭は、全身疾患由来のものもありますが、9割は歯周病などの口腔疾患が原因です。独特の臭いを放つため、周囲の人が悩んでいるケースもあります。

─治療法を教えてください。

まずは口臭の原因をしっかり見極めるために、日常の生活についてはもちろん、基礎疾患の有無、飲んでいる薬など細かく問診を行います。次に口臭測定器による検査、唾液や尿、常在菌の検査も行います。細かいヒアリングや検査を行うことで、単なる臭い消しでなく、口臭の原因を的確に突き止め、根本治療につなげることが目的です。この検査で、気付いていなかった疾患が見つかる他、生活習慣の見直しにつながることもあります。検査と同時に原因を特定し治療計画を作成します。口臭の悩みは本人でないと分かりません。解決の糸口を探り、適切な治療を行えるよう専門医へご相談ください。

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